大仙市教育委員会

　

「たいしぎょうじん」。この言葉の意味は.
「大きな志をたて、その目標達成のために精魂をつくして実行することが、自己をより向上させる(自分を深める)ことになる。」ということです。この「大志」という言葉は札幌農学校(現在の北海道大学)の教頭として、アメリカから招かれて8ヶ月間の滞在ですばらしい実績を残したウィリアム・スミス・クラーク博士のあの有名な言葉「少年よ、大志を抱け」からとったものです。
明治10年4月アメリカへ帰るクラーク博士は、見送りに来た農学校の教え子に"Boys be ambitious"と言い去っていきます。それには、クラーク博士が体験したアメリカの開拓精神(馬と血と汗で築いた新しい世界)が基になっています。クラーク博士の願いは、この未開の北海道の地に、彼の理想を実現するための人間を育てることにあったのです。クラーク博士の珠玉のような教えや体験が、この大志という言葉の中に集約されているのではないでしょうか。
「大志」には、もう一つの意味があります。協和中学校の建っている場所を「大志の丘」といいます。昭和42年から山野であるこの場所を協和町の教育の森にしようと次々と開発していきました。その最初の建設が協和中学校だったのです。校舎が建ち、陸上競技場、野球場が造られていきました。当初、周りは地肌をさらした土ころでした。そこで、校長をはじめとする職員、PTAの皆さん、協和中の全生徒が、一丸となって額に汗し、樹木や植木を植え、小さな丘、庭、池などを造りました。そして、この地をクラーク博士の言葉をいただき「大志の丘」と命名しました。また、「鵬の池」「青葉の庭」「飛躍の像」「修練坂」などと次々と名を付けていき、みんなですばらしい協和中学校を築いていこうと誓いあったのでした。そのことは町民の願いでもあったのです。今、校庭にはそれらの樹木や植木が見事に成長しています。そして、この丘で先輩たちが大志を抱き多くの輝かしい伝統を築きました。
次に、「行深」という言葉です。簡単にいえば、行うことによって、自己を深めるということです。理屈ばかりをいったり、口では立派なことをいっても体を動かそうとしなかったり、計画を立てても実行しなかったりでは、自己の向上はありません。「行」は、修行、練行、難行苦行などということで、自己をよりよく向上させるために、苦しさに耐え、日々実践(修練)することが大切であることをいっています。そして「行」によってこそ自己を深めることができるのです。自己を深めるということは、自己をよりよく向上させることにより、心豊かな人間性を深めることなのです。